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2012年7月11日 (水)

夏になると・・・

今日は、この2日のいい天気から、また梅雨に戻って朝からどんより、時折雨も降っています。

この前から、読書記事を書こうとしながら、読後感想文が苦手な私は、じっくり時間を取らねば書けないので、先送り先送りになっていました。
暑くなってくると、何故か読書熱が上がるのは、高校生の頃からで、当時、クーラーなどない瀬戸内のベタ凪の中で、畳に寝転がり、だらだらと流れる汗を拭きながら文庫本を読んでいました。
今も、とてもひんやりとは言いがたいフローリングや畳に寝転んで、氷をぎっしり入れたお茶を片手に、読書に励み、うたた寝をするのが楽しみ。
夜の読書も、秋の夜長より熱帯夜・・・という、なんとも変わり者。

さて、
最近読んだ本の中で3冊ほどをご紹介します。

まず1冊目。

「シャーロットのおくりもの」E・Bホワイト著:さくまゆみこ訳



映画もあるそうですが、世界的に有名なこの児童書を、私は読んだことがありませんでした。
話の内容も知らないし、何の予備知識もなく、息子が通うこども文庫で目にし、なにげなく借りて帰りました。
訳がとても良くて、スムーズに読み進めるな~これなら息子も読めそうだな~と思ったのは最初の内だけ、お話の展開に引き込まれながら、ラストに近づくにつれ、涙が止まりません。
ただ、そこに生きているだけでいいんだ・・・というメッセージが行間から躍り出てくるような、そんなやさしさに満ちた物語でした。
クモのシャーロットは、母であり友人であり仲間のリーダーでもあり、そのすべての役割を見事にこなしていて、
あーこれはある意味人としての理想形だな・・・と感じました。
天から降りてきた神・・・かもしれませんね。
そして、登場人物たちは、この世の煩悩を抱えた人間。
いかなる稚拙さや、煩悩や、罪におおわれていても、生を全うすることが生きる道なのだと、まるで、ブッダに説かれているが如く心が洗われていくような読後感でした。

次も児童書、しかし、児童書とはいえかなり重い内容です。

「おやすみなさいトムさん」 ミッシェル・マゴリアン著:中村妙子訳

こちらは、「シャーロットのおくりもの」を返却に行って、こども文庫のボランティアの方に薦められて読みました。
第2次世界大戦中の、イギリスの片田舎へ、ロンドンから疎開してきた男の子と受け入れ先の一人暮らしのトムさんの物語。
このウィリアムという男の子は、今でいう虐待とネグレクトを母親から受けていて、自分は悪い子で、愛される価値のない人間だと思い込んでいます(そう植えつけられているのですが・・・)。
そのウィリアムが、トムさんをはじめ、同じ疎開児童の友人や、周囲の人々の温もりに触れ、心身共に元気を取り戻します。
その矢先に訪れた不幸・・・。
このくだりは、涙なしには読めませんし、子どもが読むには辛すぎる気がします。
もう本当に立ち直れないのではないかと思われるような状況の中、それでも、ウィリアムを信じて、自分の足で立ち上がるまで、あたたかく見守るトムさん。
信じて待つ・・・という深い愛に支えられ、その後また見舞われる不幸からも立ち上がった時、ウィリアムは、「生きてるっていいな~」と心から思うのです。
これほど、ハッピーエンドにほっとした物語もないでしょう。

実際には、虐待で受けた心の傷を癒すのは、そんなに簡単な事ではなく、数年という単位で月日が必要だと思いますが、人間から受けた傷は、人間の愛で癒すしかないのだということと、どんなに優しい支援者が傍にいたとしても、最後は自分自身の力で立ち上がるしかないのだという事を、この本は教えてくれました。


最後に、
大好きな宮部みゆきさんの時代物。
「ぼんくら 上下巻」 宮部みゆき著



宮部さんの時代物の代表作と言われています。
同心 井筒平四郎は、生来の怠け者で細君からも子どものようだと言われ、なにかっていうと「面倒くせえ~」が口癖ですが(どっかの誰かみたい・・・)、心根が優しく、付近の住民からも慕われている、庶民派のお役人。
その、ちょっと変わった平四郎と長屋の住人たちで繰り広げられる、江戸前ミステリー。

もうとにかくウィットに富んだ会話がおもしろくて、途中何度も笑い声をあげるので、息子が何を読んでいるのか・・・不思議がったほど。
上下2巻あっという間に読んでしまいました。
宮部さんの現代物は、これを読む前に、吉川英治文学賞を受賞した「名もなき毒」を読みましたが、やはりこの人の良さは、江戸の市井の人々の優しさを描いた時代物のような気がします。
少なくとも、私は、時代物の方が好きです。
読後感にやりきれない思いが残るような本は、最近富に嫌になってきています。
ハッピーエンドじゃなくても、生きる喜びや悲しみが感じられ、人っていいなあ~~と思えるような優しさを求めるようになってきました。

目を覆い、耳を疑いたくなるような事件の背景にも普通の人々の善悪が混然とし、悪事を働いた者の心中にも闇と共に光が見える・・・とでも言った、深遠な人間観に、少しほっとさせられる物語でした。


この3冊、人間の尊厳を考えさせられ、人の優しさに心が和む、私にとってはいい本でした。

それにしても、毎度のことながら、児童書の奥深さには、まいった。
また、いい本に出会うために、久々に図書館通わなくっちゃ。

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コメント

こんにちは。
taeneeさんの本の紹介、とても参考になります。
最近、ちょっと気持ち的に塞ぎこんだとき、久々に本を読んだのですが、別の世界にいけました♪

昨日、子供達に
「眠りの森の美女」(「眠り姫」)について聞かれたので、手を止めて講談師のように語ったのですが。
ようやく上の子が童話に目覚めたようです。
最近、お気に入りが学校の図書館だそうですよ。
本はやっぱりいいですね。夢があります。

私も上記3点の作品は知らなかったので、機会をみつけて読んでみたいと思います。
(シャーロットのが気になります。)
また紹介を楽しみにしていますhappy01

チーズさんへ。
そう言っていただくと読書感想文を書いた甲斐があります。
長男君の図書室通い・・・いいことですね~~。いくつからでもいいから、本好きになって欲しいな・・・と本好きな私は思います。
童話は、大人になって読んでもおもしろいです。アンデルセン童話を読みふけっていたことを思い出します。
「シャーロットのおくりもの」は、いろんなメッセージがふくまれていると思うので、是非手にとっていただいて、チーズさんなりの解釈をしてみて下さい。
少し長いお話ですが、さわりだけでも、お子さんに読み聞かせてあげて欲しいな~~。

心塞ぐ問題は解決しましたか?気分は少し上向きになれたかしら?
笑顔に変われるように、祈っていますねshine

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